カントリーロード

帰ってきてしまった。だが今の私には寂しさらしきものはない。

卒業式の日なんて簡単に終わってしまうのだろうと思っていたが、

終わってみると「卒業式の日」は生涯忘れられない思い出になるような気がする。

卒業式自体はすぐに終わってしまったのだが、

しかしその短い中に学園の個性が良い意味で目立った。

ダースベイダーやらHGやら…変装や演技も圧巻だったがそれに限らずスピーチにおける趣向も月並みではなかった。

もちろん節度はしっかりもってのことである。

生徒に限らず、先生方や父兄の方々にも十分に味があった。

卒業式が終わると、部や委員会その他、様々な経緯で親しくなった友人達で集まって騒ぎに出た。

そんなに色々なことをしたわけでもないのだが、これが信じられないほど楽しかった。

ほとんど時間感覚も捨て、存分に楽しむことができた。この感覚を持ったのは久しぶりだと思う。

何か置き忘れそうになっていたものを取り戻した気分だ。

思えばこんなに友人と話したのは久しぶりである。過ごしたのも。

昔の「調子」を私は失いかけていたのだ。それを思い出したのだと思う。

この「思い出したことへの感動」が重要な影響力を持っているのだろうと思う。

そんなことがあってか、今の私は心が軽くなったような気分である。

今日の思い出だけでこれから10年は最低でも生きていけるような心持ちがした。

別に私に降りかかる運命や試練がどうであれ、私は生きていけるだろう、と

なんとなく、しかし何か確信に近い気持ちを抱くことになった日であった。

改めて振り返り、この学校での生活はかけがえのない宝物であったと思う。

いつか、私達が何らかの問題に直面しても、ここでの経験が役に立ってくれるのは間違いない。

そしてまた、時々皆で当然のように集まって腹を割って雑談したり騒いだりするのだ。

そのうち皆段々と独立していくことにはなるだろう。

だが、

私達は孤立してなどいない。
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