い、生きている…

私は自宅に帰ってきて玄関前の階段を上っていた。

ドアのすぐ前まで来ると、この時間は家に誰もいないはずなのに
家の2階のベランダの方、大体兄の部屋の前あたりから音が聞こえた。

私は人の気配を感じて、なんだろうと思って数歩下がりベランダを見上げると、
人影が見えるか否かのところで銃声が聞こえた。

左腹の左端あたりに衝撃を感じた瞬間、再び銃声が聞こえた。

私は焦ってとりあえず玄関まで行き、家の中へ入った。
鍵はかかっていなかった。

家の中からはいつの間にか人の気配が消えていた。

私は腹を抱え、よろけながら2階の兄の部屋の隣にある自分の部屋へと向かった。

やはり人の気配はなかった。

私は自分の部屋に入り、ベランダを一瞥し、敵がいないことがわかると、
そのままゆっくりとベッドに横たわった。腹が酷く温かかった。

そして気がつかないうちに、そのまま眠ってしまった。

何時間こうしていたんだろう。
気がつくと、ベッドの上で妙な姿勢で倒れている。

起き上がろうとして、異変に気付いた。
服についた血が固まって肌に張り付いて変なことになっている。
折角の気に入っていたズボンもお釈迦だ。


突然玄関のドアが開く音が聞こえた。

階段を下りると、母が帰ってきていた。

ところがよく見ると玄関が変わっていた。
いや、正確には今私が住んでいる家として正しい玄関だった。
私が最初に家に帰ろうとしたときの家、そして玄関、ベランダ、部屋、ベッドなどは
私が今は住んでいないはずの、数年前に兄達だけが住むようになって私は住めなくなった家のものだった…

母には事件の概要を説明した。
別に大した心配はしてくれなかった。

それより別の話に関心があるらしくて、そちらに付き合った。
家具の話だった。

私は母に連れられて椅子を買いに行った。
随分広くて品揃えの良い店で、母も気に入る椅子がありそうだった。
勿論私もこれなら気に入るものがありそうだ。



というところまでで、目が覚めた。ある寝過ぎた日の朝。おはよう。

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