第45回情報科学若手の会に参加してきました

第45回情報科学若手の会に参加してきました.

部分的に執筆してはあったものの,私の手法ではいつまで経っても完成しないとんでもない記録になってしまって,公開を見送っていました.しかしさすがに第46回が始まってしまっては記憶の混乱を招いて二度と投稿できなくなる恐れがあると思い,この大切な思い出を多少無理矢理にでも一時完結させた版を公開します.これでも原稿用紙換算だと約40枚相当になる模様です.

以下,約1年前の記録と1年後の回想を所々混ぜてあります.

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この夏,私は非常に長い距離を物理的にも精神的にも駆け抜け,非常に多くのものを得ました.
色々と記したいことはありますが,まずは9/15~9/17にあった情報科学若手の会について記します.


10時過ぎ頃,横須賀で実習期間中に泊まっていたホテルをチェックアウトして,伊東駅へ直接向かった.
途中,ふと@mamoruk先生の発言が目にとまる.

私はこの時までこの略称jkwktkを知らなかったので,
「jkwktk…?熱海…どう考えても我々のことだな…jk…wktk……これでは当てはまらない……ここで切れないということは読みがそもそも違うのか…wk…わか…,ん,わか…て…(の)かい…,じょうほうかがくわかてのかい…!!」
という感じで,略称を理解.結局jkとwktkに切っても良く,さらに言えば実は…というのが後にわかったが心の中にしまっておく.

電車は比較的混んでいて座ることはなく,特にすることもなかった.駅に着き,地図を開くと徒歩7分とはちょっと思えない距離が表示されたが,アプリの計算を信じているのでそのまま歩く.海沿いの道を選んだため,とても良い景色だった.

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旅館には予定より十数分早く着いた.受付開始時間より前だったが,入ってみると既に10人以上は来ていて,適当に荷物を置いて話し始めた.偶然にもこの時話しかけた2人はどちらも初参加で,初参加同士仲良くしましょうという雰囲気になれた.もう45回もやっているというのは凄いなという話などをする.見渡すと恐ろしい眼鏡率で,さすが情報系といった感じだった.

最初に聞いた幹事さんの声は@sowawaさんの声で,穏やかな雰囲気を感じた.受付そろそろ空いたかなと思って降りてみると,まだ少し並んでいた.少し進むと,JK wktkの文字が見える.

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受付に来ると幹事さんと思われる方に次々とお会いするが,名前はお聞きしたことがあっても顔を知っている方はいないので,普通に受付をした.学生と社会人で負担額が違うので,学生は学生の間に是非来るべきだなと思った.名札カードは葉書で,自由に書くことができ,これを首にかける.「こんな風に書いてください」と言った@yamashitamさんにもこの時初めてお会いしたが,状況から考えてこのお方が女帝yamashitam…?!と大体読み取った.女帝というイメージからもっと隠しきれないくらいのドSな雰囲気を予想していたがそんなことはなく,そういった意味での偏りはない印象だった.普通にきれいな人だった.

実は今回,情報科学若手の会に参加したきっかけは,@mamoruk先生のこの発言を見て

ふむふむ,そういうのがあるのか…と思い,

女帝…?と思い,

おお,参加しようかどうしようか…と迷い始め,とりあえずググった.口コミを探すために.そして目にとまったのが以下の日記だった.

第44回情報科学若手の会に参加してきました – yamashitamの日記
http://d.hatena.ne.jp/yamashi_tam/20110919/p1

読んでまず思ったのはやはり有名人多いなということ.そして何より楽しそうだった.よし,行こう!とここで決意できた.夏期実習の翌日からで疲労を持ち越すのではないかという不安や,研究室での夏の成果報告までただでさえ1週間なかったところが3日になってしまうといった不安を打ち消すことができた.そして見計らったかのようなタイミングで

を見かけ,急いで申し込んだ.この2回目の募集がなかったら私は判断が間に合わず申し込んでいなかっただろうと思う.

きっかけはここまでにして,以下続き.

席に着き,人数が絶えず増えていくのに驚く.

実際この時60人いたらしい.早速オープニングと自己紹介セッションが始まる.若手の会の名に違わず,非常に若い人しかいない.実年齢はあまり正確には把握していないが,とにかく若い.最年少は確か0x10歳だっただろうか.それでいて悪い意味で精神的に低年齢の人というのは一切いなかった.「この会に参加している人で話しかけられて嫌な人はいない」と誰かが言ったが,本当にその通りだったと思う.

そしてこれは決して外せない事実だが,松江高専やその出身の勢力が非常に強く,5人に1人は松江だった.

日本の情報科学はこんなに松江が支えているのか…!と思って驚いた.ただ,NAISTも自分含めて7人いて結構頑張っていたと思う.後に聞いたところでは,松江では多くの人を若手の会に誘ってくれるいわゆる「ハブ」的な人が何人もいるらしく,参加検討のチャンスが多いらしい.

自己紹介セッションでも相変わらず@soramiがsorami節を展開していて,人々の関心を寄せていたのが羨ましかった.NAIST松本研としては彼が一番自然言語処理(の特にDeep Learning)をアピールしていたのではないかと思う.

自然言語処理については@mamoruk先生もアピールされていたが,この場では@mamoruk先生はGentooの貢献者としての経歴なども挙げていて,総合的な情報科学者として映った.
一方,私自身は今思えば自然言語処理に関しては「自然言語処理」としか言わなかった気がするので,私が何をやっているのか伝わらなかった人ももしかしたらいたかも知れない.意外だったのはラズパイがあまりうけない印象だったことと,Arduinoに反応する人々は多かったことである.私はこの会のように様々な人に触れあうこと自体が好きだしそれはこの会に参加した目的のうち大きなものの一つだが,得たいものとして表現しやすかったのは「技術を吸収すること」だった.本当はもう少し正確に言いたかったのだが.

自己紹介で一番のインパクトを与えたのは@suu_gさんだったと思う.私が知っているどの有料プレゼンツールよりも安く,決してトラブルを起こさない,駆動時間無限のプレゼンツールを使いこなしており,とにかくDNSマニアだということは確実に伝わった.

これを上回るインパクトがあったとすれば@teshi04さんのあの「お友達になってください><」だろう.個人的には「むしろ付き合ってください><」と返したいくらいだった.まじめに書くと,彼女はスライドがなかったので,神々の中でインパクトを与えるのに結構必死だったのではないかと思う.でもそれは大成功だった.この場においてはあれでも丁度良いくらいなのが,この会の凄いところだ.

湊離散構造処理系プロジェクトは先日より「フカシギの数え方」で度々話題になっていたが,そこの@taxwakaさんもいらっしゃってやはりその話も出てきた.

他にも色々インパクトのある自己紹介で,一通り全員の自己紹介が終わる頃には2時間くらい経っていた.

その後@katchamansさんの招待講演があったが,これが本当に凄い.素晴らしい.恐らく,情報科学やその研究,あるいは人生において一番必要なことはkatchamanが全て教えてくれたと思う.

プログラムのタイトルには「人とつながって,高エネルギー生命体になっちゃいましょう!」とあったので,正直に言うとタイトルだけ見たときの最初の印象は「高エネルギー生命体とは…?」という感じで,情報科学との関連もわからず,若干距離感を感じた.しかし講演の時になり,実際に高エネルギー生命体(katchaman)が登壇されてからは向こうからぐっと近づいてくるものがあり,距離感はなくなった上,高エネルギー生命体が何なのか聞かずともわかってしまった.

間違いなく伝わったのは,一番大切なのは「うけとる」ことだということ.

人は経験を積んでいくとどんどん壁を作っていく生き物らしく,この壁を認識することが重要.壁というのは,自分が様々な人や物事に対して持つ先入観や固定観念などによるもので,組織や人で○○は嫌いなんだよな,というのがあるならば,そこには間違いなく自分が作り出している壁がある.自分がいやだと思う人には実は自分が持っている同じ性質に対して嫌悪感を感じている…つまり鏡を見ていやだなと思っていることが多く,それを理解すれば,いやだなと思っていた相手に対しても哀れみさえ感じられ,自分を正すきっかけになる.だから,自分がいやだと思う人ほど多くの事を教えてくれる.そんな人に感謝できる.だから気の合わない人とは距離を置くのではなく,むしろそういう人とも積極的に触れあうべきなんだ.幸い我々はものを創って心の内を表現できる.だからその力を存分に発揮して,お互いを伝え合い,お互いを受け入れよう.そうすれば,お互いを高め合う存在を見つけて,さらに輝ける.

と,全体的にはそういった内容だったが,講演にはもっと色々なことが詰め込まれていた.特に「うけとる」ことがどれほど難しいかを強く認識した.難しいけれど,それなのに,ちょっとした意識の持ち方で必ず誰でもできること.そこにもまた,驚きを感じた.褒められたら素直にそうなのかも知れないとうけとること.

こういったことを直接伝えてくれる人は私の人生においては今までのところ実は1人か2人くらいで,ほとんどいなかった.katchamanには本当にここで出会えて良かったとしみじみと思った.また,最初の講演としてこれほどふさわしいものはない,むしろ情報科学若手の会のプログラムだけでなく,あらゆる会のプログラムの最初にあって良いと思った.まだ会ったことのない人は,是非是非katchamanに会って欲しい.特に@teenstには彼に会って欲しい.他にも会って欲しい人が沢山いる.この,頭をハンマーで砕かれるかのようなインパクトを,是非感じ取って欲しい.

また相手から色々と受け取った後,「どうすれば…」と考える段階でポジティブに考えることも非常に重要だと思う.個人的にはここで躓く人も沢山見てきたように思う.講演では,失敗しても「またやっちゃったテヘ」といった感じに捉えるという話があったが,ここは私も最近意識してきていたことだったりする.私の場合はここは「これは仕方がない.十分あり得る状況だった.次は確実にこうしよう.」といった感じに,直近・直後の方針を必ず今より良くなるように立てるようできる限り心がけている.例えば凄く優秀な人を見て,劣等感に押し潰されそうになる人が情報科学界でもよくでてくるし実際私もよくそうなるが,そこで押し潰されるのではなく「自分もやってやる」と強く,強く思うことがきっと大切で,そこから得られる気力は,周りを見ていない人に比べてずっと強いはずだと思う.

今回katchamanさんに直接1対1でお話できなかったが,是非またお会いし,お話したいと思う.これほどまた会いたいと思わせてくれる存在に,私もなりたい.


…この調子で書いていくとどこまで長くなるか本気で心配なので,私にとっての最重要部分をできる限り残すよう努力しながら間引いて記します…(追記:この調子で書いていたせいで記録が完成せず未公開のまま放置されてました…)


その後@hiromu1996さんのAndroidセキュリティについての学生特別講演.登壇されて最初の印象は若いなということと,大人だなということ.別に若い割にはという意味ではなく,学部時代はここまで落ち着いた人を見たことがなかった気がするし,院に入ってからもそうそう見ないタイプだと思う.それに説明が非常にわかりやすく,それでいてストーリーのバランスがとても良い.色々と,大学院生の一人として衝撃を受けた.

Androidは指数関数的にユーザーが増えてきているが,セキュリティ機構については今年の最新版でようやく使えるようになってきたかなというところらしく,正直,@hiromu1996さんくらいの強者でないと使ったら危ないのではと,聞いていて思ってしまった.個人的にはSELinuxは私が高校か大学でRedHat系に触れたとき気づいたらデフォルトでオンになっていて多くのトラブルを招いて非常に厄介な奴という思い出が非常に強く,近寄らんとこ…と思っていた存在だったのだが,それはポリシー設定が難しいだけで,厳密にうまい設定ができれば,アプリケーションやシステム側が相当セキュリティ的にザルでも強固なセキュリティを保てるということがわかった.そしてそのSELinuxのAndroid版であるSEAndroidがリリースされ,Androidでも使えるようになっていたらしい.ただ,セキュリティガチ勢にとってはパフォーマンスは比較的どうでもよいのか,現状SEAndroidを有効にすると大分IOパフォーマンスが落ちるので,使えるようになるにはもう少しかかりそうということと,うまく対策しないと電話帳開くだけで無限ループに陥るなど,現状のアプリケーションに結構大きな影響を与えることが予測されることなど問題はまだまだあるらしい.

私も携帯電話としてではないかも知れないがAndroid端末を持とうと思っているので,非常に参考になった(追記:現在ではAndroid端末も持っています).何より,人として非常に衝撃を受けた.


その後夕食.食事は基本的に文句なかった.確か集合写真を撮ったのはこの時だっただろうか.
気づくと@_a__sanさんと@katchamansさんが謎のノリで凄いポーズをとっていたのだが,そこに最終的に@yamashitamさんが加わったので心底驚い…いや感動した.個人的にこういうノリはこのくらいであればかなり好みである.ただ,これよりちょっと度が過ぎると興が冷めるギリギリのラインでもあるので,良くできるなとも思う.

夕食後は@kano_0801さんによる組み合わせ最適化ゲームのお話.これも非常にわかりやすい.組み合わせ最適化は聞いたことがあったが,ゲームと名のつくものは私は聞いたことさえなかった.組み合わせ最適化と協力ゲーム理論を組み合わせたもので,いかに協力関係を維持する利益を保持したまま,かつ利益を最大にするか競い合う,といったゲームである.これには何を目的とするかで様々な解が存在し,解概念に安定集合,コア,カーネル,仁,シャープレイ値などがあるらしい.これはうろ覚えだが,ノード(この時豚さんや鶏さんが例に出ていて和んだ)が提携に加わったときにどれくらいコストが増えるのかを全ての場合で計算して平均をとった値をそれぞれのノードに適用するのが確かシャープレイ値で,トータルコストがちゃんと最小になるところが面白い.技術的な話だけでなく,スライドのネタバランスもかなり良い印象だった.

彼からは後に劣モジュラ不等式と機械学習は関係があるよと教えて頂いて,早速調べてみようと思っている.(追記:この時は全然知らなかったのだがこの後すぐに自分の分野でも耳にする機会が多々あった)


その後は高専プロコンで創ったというMaphisというアプリの話.ありきたりな旅行アプリでなく,アイデアをフルに引き出して他に類を見ないアプリを創っていた.宝探しとそのヒント,というスタイルだが,個人的にはヒントをサブゴールと捉えることができて,非常に考えられていると思った.また,基本アイデアをそのままに,実現の仕方を私も色々と考えさせられるところがあって実に面白い取り組みだった.彼らもまた,若いのに発表が優秀で,高専に私も行ってみたかった,と思った.(追記:この時まで高専に対しては個人的には非常に良いイメージがあったが,後に高専出身の色んな方にお会いしていく中で,彼らの間でも高専における立場や評価が様々だということがわかった.予想していたより複雑な世界だと思う.)


その後,夜の宴.各自,持ち寄った各地のお土産を紹介し,これが非常に盛り上がる.私も,横須賀から一つ多めに持ってきた「携帯サブレー」を披露し,大成功だった.後に@yamashitamさんに話しかけてもらえたときもここからつかんでもらえた話題だったので,とても嬉しかった.(追記:もしかしたらこれは2日目の晩だったかも知れない.ここの記録はわりとすぐ書かれたものだが,1年後の回想では時間の前後関係が今ひとつわからなくなってしまった.以下の写真は2日目の晩のものである.)

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今思うとあの場は本当に皆,一人残らず目が輝いていて,素晴らしかったと思う.

夜の飛び込みセッションでも幾人か話されていたが,初日に関しては私は聞き逃したりあまり集中して聞けなかったりだった.それでもこの時初めて話せた人も沢山いるので,良かったと思う.

あっという間に時間が過ぎていくので,焦って途中で抜け出し,風呂に入った.気づいたときに入らないと,本当に入れなくなってしまうのだ.この時かなりの人数で一気に風呂用のタオル類を注文しに行ったので,旅館の人を困らせてしまったかも知れない.ただ,深夜に渡ってノックし続けるよりはずっとマシだったと思う.来年以降は夜になる前に注文開始し,もう少し分散して行けると良いのかも知れない.

旅館の風呂は本物の温泉である.しかし,個人的には非常にぬるかったので,湯船にあまりのんびりとはつからなかった.シャンプーがかなりごわごわする気がしたが,気のせいか,とこの時は思った.この時だったか2日目の時だったか,@asanon_sさんと偶然同じタイミングだった.「皆さん寝ませんね,名残惜しいんですかね」とイケメンな感じで話しかけられて「全くその通りですね」と答え,実際そう思った.これもこの時だったか2日目だったか覚えていないが,湯船では「女帝の年下の兄」についての議論がなされていた(追記:@nyaocatさんのことである).

風呂から出てまたしばらくお話をして,この日寝たのは確か2時半頃.非常に早かったと思う.同じ部屋の中では2番目に早く眠った.この時@pi8027さんは翌日の発表のための仕上げをしていて,凄いと思った.彼からは翌日の発表より一足お先に彼のCoq同人誌「Coqによる定理証明 ~Coqでスタック指向プログラミング~」を購入.2冊買ったので,1冊は布教用に研究室に置いておこうと思う(追記:結局後日忙しくなって布教できていない…ちなみにNAISTではAgdaの方が講義もあったため知名度が高い).本当はサインしてもらいたかったが,全員からサイン頼まれて彼の手が腱鞘炎になってしまっても困るので,我慢した.

—- 一日目終了 —-

(直後の記録はここまでで力尽きており,以下の話からは約1年後の回想になるため,描写が劣化します)

2日目の最初の発表は@pi8027さんのCoqの話.Googleシャツを着ての登壇.Coqという定理証明器の存在は以前研究室のai-aさんから教わっていたのだが,未だ触れたことはなかった.また,これに対してプログラミングという観点は持ち合わせていなかったので,色々と気になる発表だった.ここではプリンターでよく見かけるPostScriptという言語に似た言語をCoqで実装していて,自然数を作ったり(0は自然数という発言でやはりざわついていた(追記:ただ,一応0は自然数というのが現時点の一般論だったはず)),真理値を作ったり,一通りの演算をしてみせたりしていて非常に興味深かった.スタック指向言語は実行中の状態がスタックの内部を見ないとわからないため,デバッグが非常に難しいらしいのだが,Coqを使うことで正しさが保証されたPostScriptプログラムを作ることができるという話だったと思う.(追記:後にAgdaを用いて同様に真理値や自然数や四則演算を作ってみた.演算によって作るのが難しかったり,同じ結果を与える変換でも異なる手続きを何通りも作れたりして非常に奥深い.)

2番手は@wasabizさん.言語仕様について非常に詳しかったりJSXという言語を作ってたりする人で,回想でなくてもこの時の発表については私には正確に語ることが難しい….ただ,LispやS式自体は知っているのでHomoiconicity,同図像性やマクロの話は感覚的にはわかった…はず.Cなどのマクロについてはわかるし,ちょっとくらいなら高度な使い方もわかるが,あまり積極的に使っていないのでこんな書き方もできたのかと思うこともあった.gensymなども解説がわかりやすく,勉強になった.私のようなプログラマとしてはおちゃらけっぽい人でない,まともなプログラマなら当たり前の話だったかも知れない.

3番手には@nishioさんが登場.この方,かなり前に自分がお世話になったプログラミング関係の本(今どこにあるかわからない…)の著者さんだった気がする.とにかく私なんかでも名前はよく見かける.NAISTにもいらした方だったのですね.今回はブラウザ上のJavaScriptで色んな言語のエミュレータをリアルタイムに実演しながら動かして見せていて,しかもバイトコードやメモリ状態の可視化が徹底的になされていて非常に驚いた.わりとパフォーマンスもでていた気がしたが,きっと色々工夫されているのだろう.

午前の締めくくりには@mamoruk先生登場.うろ覚えだが,確か先生は用事でここまでしか参加できなくて,急遽まとめセッションをここで行っていくことになったのだったと思う.ここでは海外留学の話や,インターンシップ,未踏などで簡単には採択されなかった時のことなどの話があった.@mamoruk先生くらいになると,やはりそこまで苦労せず思い通りに世を渡っていけてるのではないかと無意識に思っていたのだが,凄い人でもうまくいかないことは普通にあって,めげずに行きたいと思い続けてアンテナ張ったり努力したりしていると,あるときチャンスをつかめるという感じで,感動した.ただ,本当に色々やっていらっしゃるので,私にはなかなか真似できなさそうである….うまくいくとは限らないから色々やるのかも知れないが,なかなか自分には頭のコンテキストスイッチが追いつかないようなところがある.自分のやり方から,できる範囲で昇華させていきたい.

この時,会場内の人数が多すぎるためか,用意されていたWiFiのトラフィックが不安定になっていた.そこで,このタイミングで休憩時間を利用してPPTP VPNサービスが会場内で瞬時に開設された.そしてそこには powered by SAKURA Internet の文字が!流石である.今回,講演者の中にはさくらインターネットの社長さん@kunihirotanakaもいらっしゃるのである.この時の旅館内は,色々と恐ろしい謎の集団になっていた.

午後の一番手には@iwiwiさんが登場.ネット上で何かと見かける凄い人で,自他共に認めるプロコンガチ勢と呼ばれる人種である.TopCoderなどのプログラミングコンテストで常に上位に君臨する.プログラミングだけでなく普通に研究業績も非常に優秀で,私のような人からは尊敬以外の眼差しで見られることはない.そもそもプロコンも上位に君臨するためには単にプログラムを書くのが速いだけでは不可能で,アルゴリズムや計算量に詳しかったり数学的センスがあったりしなければならない.計算量を甘く見ていると大変なことになる例として,この時丁度話題になっていた数え上げおねえさんが出てきた.そして,プロコンがどんなものか,非常に丁寧な解説がなされた.プロコンは一見,単に問題を解いているだけで楽しそうに見えないかも知れないが,制限時間内で世界中の数千人と解く時間や正確性を競い,結果がすぐにわかるハイスピードなゲームという感覚である.それにアルゴリズムを考えること自体が楽しい.このあたりの楽しさは,恐らくこの場にいたような人たちにとっては容易に理解できるものだったと思う.ここで,プログラミングコンテストチャレンジブック(通称:蟻本)(http://www.amazon.co.jp/dp/4839941068)にも載っている蟻の例も出てきた.そして種々のプロコンの紹介があった.ACM/ICPCやGoogle Code Jam,TopCoder, Facebook Hacker Cupなどがあげられた.ここからTopCoderの話で,そこにはレーティングシステムがあり,レッドコーダーが紹介された.レッドコーダーはこの時世界に300人ほどで,日本には26人.@iwiwiさんが始めた頃は4人くらいしかいなかったそうだ.実はその中のさらに上のターゲットというランクもあり,この時でも世界で18人,日本に3人しかいないとか.@iwiwiさんは努力を重ね,ターゲットまで到達している.私は,このくらいの人になると最初からあまり苦労せずにトップクラスまで行けているのではないかとも思っていたが,やはり誰でも苦労する時代はあるのだと知って感動した.コンテストの実体験の話は非常に臨場感があってよかった.

続いて@kunihirotanakaさんの登場.学生時代からロボコンやサーバ運用,そして吹奏楽もやっていたという話や,学生時代のネットワークハック的な話でなんとなくではあるが自分の学生時代の過ごし方に近いところがあるような気がした.そこから,さくらインターネットができた頃の話など,非常に興味深い話があった.(追記余地あり,追記予定.)ちなみにとあるさくらのジェネレータの作者でもある.これもあまりにも有名な気がするし,この後も早速使われた.

そして@did2memoさんの登場.いきなりDHT,Chord,構造化オーバーレイとでてきてしかも「勉強したことがある人も多いかと」と書かれていて軽く焦る.私は専門外だと言いたいところなのだが,これは一般常識なのだろうか.ただ,ネットワーク分野の人にとっては常識かも知れない.構造化オーバーレイの世界では基礎や応用の各段階において比較的視野の狭い拡張が行われてきたらしく,一貫性や根幹の原理にわりと無頓着だったらしい.図に吹き出しが増えていく独特のプレゼンが特徴的だった.転送方法やトポロジ構築の話が初学者にも非常にわかりやすく,勉強になった.なかなかこの辺りのアルゴリズムはグラフアルゴリズムとして見ると汎用性がありそうで面白いので,もしかしたら意外なところで自分もお世話になるかも知れない.(超高密度の発表だったため,追記余地あり.)

ここでDonutsのシステム開発部の方の発表.ゲーム開発の話で,リクエストに応じたトリッキーな画像生成の話など.私はゲーム開発は昔趣味でやっていたので多分私だったらこうするだろうなというようなことも色々思いついてしまう分野の一つである.会社のことなのでここにはあまり多くのことは多分書けないだろう.後に就活関連イベントでこの企業の方にお会いすることもあったが,こうして企業の方がこの会に出てこられることは個人的には大変良いことだと思う.

最後に@ym405nmさんの登壇.就職したての方らしい.うろ覚えだが,脆弱性のあるゲームのサンプルとリアルタイムなデモを実演されていた.(この時のサンプルのサイトはなんと本記事執筆時点でも生きているが,気軽にリンク貼り付けて良いものかわからないので控えておく.)こういうノリであれば私もSECCONにもそのうち参加したい.

確かこれが2日目の夕飯だったはずだ.

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この時の夕飯の席では,確か同じNAIST生にも関わらずたまたま普段交流のなかった人と話した気がするが,流石に何を話したかまでは,1年経った執筆時点では明確には覚えていない.ただ,その人はIT3の参加者だったので,どういうスケジュールになっているのか聞いてみたり,私も参加すべきだったと言ってもらえたりした.IT3は実際,当初相当迷ったものだった.

夕飯の後,「とある交流会のチーム分け」が発表され,夜の部へ.よく考えたらこの辺りから全然しおりには載ってないあたりの話だと思う.

ここで@katsyoshiさんの登壇.fluentのpluginが出てきたり,mikutterが出てきたり.確かmikutterをかなり推していた気がする.(追記余地あり?)

この次,Sさんによる完全準同型暗号の話.凄く面白い人なのだが,TwitterID失念…(どなたかコメントかTwitterで教えていただけませんか).暗号化したままで演算を可能にする話である.しかし非常に難しく,「暗号技術の聖杯」と呼ばれることもあり,研究者達はその聖杯を求めて研究に没頭していたらしい.(もしかして:聖杯戦争 (プレゼン原文より))そして聖杯戦争に勝った人は「NYのスタバでコーヒーを飲んでいたら思いついた」そう.この辺りのネタは非常に面白かった.が,それでもまだ辺りの技術はまだ実用段階ではないらしい.

この後@techman33さんの登壇.教育者の観点からプログラミングをどう教えるのが良いかを考えていらっしゃるという内容だった.個人的には,作りたいものを最優先に考えて,それを作るために必死にもがくのが一番の近道であるように思う.色んな意見の人はいると思うが,いずれにせよ経験を積めば積むほど良いのは確かで,何を学ぶかにおける順番は,一部で言われているほど重要じゃないように思う.何事もそうだが,とにかく何を目的とした力をつけるかにかかっているように思う.

さらに@_a__sanさんの登壇.ゲーム開発にかなり強い方のようで,私も高校時代のスキルをもしもそのままのばしていたらこうなっていたのかな,と思える人物像だと思った.ただ,ここではゲーミフィケーションの話に入り,予想と異なった展開で斬新だったように思う.結構抽象的な話で,踏み入ると実は難しい話なのかも知れない.

この次は@kawa_xxxさんの登壇.セキュリティに詳しい方でSECCONやDEFCONの紹介があった.最後にNRIセキュアCTFチャレンジジャパンに参加のお誘いがあった.興味はあるがなかなかここまで手を広げられずにいる.

この次は@overlastさんの登場.主催されているDSIRNLP(データ構造と情報検索と言語処理勉強会)の紹介をされていた.@overlastさんは転職を経験されたことのある方なので就職や転職についての考え方についてありがたい話をされていた.レジュメを書く際にとにかく皆さん一度@mamoruk先生の履歴書をググれということであった.これはこの場にいたある程度の方が既にご存じだったと思う.あと,皆さんGithubとかブログとかLinkedInとかちゃんと整備しましょうという話もあった.そして3つの質問,「あなたの夢」「やりたいこと」「あなたを雇うべき理由」の答えを用意する.などなど.参考書にGOOGLE RESUMEやToughest Interview Questionsなど.

この後,jkwktkの真の意味を初めて知ることができて,色々幸せだった.そして,チームになって洗練されたクイズ大会となり,勝者には様々な景品が振る舞われた上に,良い感じに写真撮影もあった.

さらに,その景品の中にはその場の流れ的に決まった,さくらインターネットさんの商品もあった!実に面白い流れだった.こういうノリは大好きである.

この後,誰かが持ってきてくださったボードゲームで確か@pi8027さんと@iwiwiさんが戦って,@iwiwiさんが負けるという場面を目撃するという夢を見た.

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適当なタイミングで風呂に入ったが,この時偶然@overlastさんと@iwiwiさんと同じタイミングだった.そして洗い場では,私の左に@iwiwiさんがいて,右に@overlastさんがいて,どちらも大変尊敬する方なので,妙に何とも筆舌に尽くしがたい思いであった.この時,@overlastさんはシャンプーとボディーソープがどうもおかしい,逆なんじゃないかとしきりに仰っていた.この時はまだ大して何も話せなかったが,今までの感じだと今後お会いできる機会は幾度もありそうなので,そのうち色々わかってきて聞いてみたいこともでてきそうである.

翌日,朝食の席で@iwiwiさんがMSRAで起きたことについて話されていた.最終日は,もう特にイベントはなく,まとめと,最後にこの一言で締めくくられた.「帰ってブログに書くまでが情報科学若手の会です」.そして私は,あまりの感動に書ききることができず,ついに1年間若手の会を続けたのである.

帰りは,@sorami殿の素晴らしい車に載せてもらって,@about_hiroppyさんと3人で奈良へと向かった.@about_hiroppyさんも確かプロコン勢の人で,道中,プログラミング言語についての話やスマートフォンハードウェアの話,そして@about_hiroppyさんの大学の話など色んな話が弾んで実に愉快だった.新東名を走って,あまりにも派手な外観を鑑賞しながらの帰路だった.途中からは@soramiとの2人になったが,そこからは夏期実習の話や哲学的な話も含めて色々な話をしたように思う.@soramiからの問いかけで覚えているのは,尊敬している人は誰かというもの.どの点を重要視してその結論に至ったかなど.そして,別の話題で@soramiが気にしたことの一つに,@soramiは自分のことをあまり話さないのではないか,という見方があったこと.話さないようにしているわけではないことや,環境のことなどに話は及んだ.

最後に,情報科学若手の会は名前だけでは想像のしようがないほどクリエイティブでアクティブな会だったと思いました.普通に人生を過ごしていて出会えなさそうな考え方や生き方にひたすら衝撃を受けます.また,本当に伝えようという気持ちのこもった発表が多いので,もし情報科出身でなくとも,こういう分野に興味があるなら是非参加するべきでしょう.仮に誰とも話せなかったとしても,それでさえも十分に参加する価値のある会です.参加されたことのない人は人生損してます.

そして,この素晴らしい会を支えてくださった幹事さん皆さん,本当にありがとうございました.
執筆日的には今日またお世話になりますが,よろしくお願いします!

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