高三の夏休みも今日で終わる。
今年の夏休みは、いつもの夏とは違った。
勉強もそうだが、他にも色々と学んだ。
日記には決してその寸分さえも書ききれていないが、世の中についての種々の原理、厳しさとか、自己の精神面の弱さとか、他人の目、過去から現実を見据える目、本当に重要な事を見抜く目、最後まで絶対慎重でいるための心構え、自己の行動の先読み、欲の制御、距離をおいた自己、他人の二次的客観視など、多くの事を、多くの概念を学んだ。
今の私は、少なくとも夏休み前の私とは別物だ。
ここからは、精神力勝負だ。
私は、もう他人に左右されない。
誰にも気安く触れさせない。
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ここまでがベースだ。
実際に学校が始まってから会う私は多少違っていても基本的に相手によって性格を変える仮想人格になる。夏休み前までは不完全な仮想人格だったが、今後は完全に近くなっていくことだろう。私は、本当に真の自分で良いと判断出来る相手以外には絶望的な存在になるかも知れない。それはそれで悲しいが、しかし相手によっては真実の私を見ることが出来て良いかも知れない。また、仮想人格の方が良いと思う人や、仮想人格に気付かない人も出てくるだろう。これは受験のためだけではなく、これから生活していくための万能原理であり、私の今までの環境がそうさせた物だ。仮想人格も一通りではなく、これから多様化していく。つまらないというなら、真面目に、真実だけで接すれば、私も真実で応えるかも知れない。ただ、慣れていない人はそうしない方が良い。そうしてみたところで変わらないかも知れない。変わったところでそれが良いとは限らない。
そういえば万能な仮想人格が以前から一つあった。気付かない人に対しては引き続きそれを使わせてもらう。
今では、家にいても仮想人格だ。
仮想人格のうちのいくつかは本音が言える場合もあるが、私が本気で話せる相手は数人に限られるだろう。
ここまで否定的内容で書き続けたが、誰も何も本気の私に無理に触れる必要は無い。全部、一応は私には違いない。
もし見抜く目がある人がいれば大したものだ。私は私を未だ見きってくれる人を尊敬する。
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明日からこの学園生活で最後の学期が始まる。
……かけ声の類は要らない。
くだらないものは何も要らない。
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